金庫を開けた泥棒が盗まなかった中身とは?

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我が家は関西地方の岡山県にあり、そこで父と母、それに3歳年上の姉と私は暮らしています。3年前までは父方の祖母も同居していましたが、現在は鬼籍に入っており、お仏壇から私たち一家の暮らしを見守ってくれています。

私たちの家は、ずっと昔からこの土地で暮らしてきたらしく、ご近所さんからは「地域の顔役」として何となく尊敬と信頼を集めているような家柄です。私がこのことを今は亡き祖母から聞かされて知ったのは小学4年生のころでしたが、道理で妙に周囲の人が優しいはずだと、子供心に悟ったようなことを思った記憶があります。

そういう家柄である関係からか、私たち一家の住んでいる自宅は結構大きな日本家屋で、奥座敷には古めかして大きな金庫まであるのです。ちなみにこの金庫ですが、型が相当昔のものらしく、一応施錠は掛かりますが少し金庫を開ける勉強をしたものなら簡単に開錠出来てしまうような精度しかないとのことで、中身は姉の恥ずかしい過去の記念写真くらいしか入っていませんでした。実は私の姉は昔引きこもっていた過去があり、本人の強い希望で当時の写真を一応はカギが掛かるこの金庫に封じていました。

さて、つい先日の話ですが、実は私たち家族の暮らすこの家に泥棒が入り、母の宝石などが被害に合いました。ところが、先にご紹介した金庫も開けられた形跡がはっきりとあったにも関わらず、姉の引きこもり写真はそのまま残されていたのです。
泥棒的には金目のものさえあれば良かったから無視したのでしょうが、姉は何となく面白くなかったようで、警察の現場検証の間もずっと不機嫌な状態だったことがあるのです。