自分が使わなくなった金庫を無理やり私に使わせようとする義母

最近のお姑さんはいい人が多いような気がする。いいお姑さんというのは、言葉は悪いけれど、「都合のいいお姑さん」だ。こちらの生活に干渉せずほどよい距離感を保ってくれつつも、こちらの手が足りないときには手を貸してくれる。そんな器のでかい人がそうそういるもんかと思っていたけれど、とにかく私のまわりではそんな話をよく聞くのだ。

そんな話を聞くたびに、私は心から羨ましいと思う。なぜなら私の義母は、こちらの生活に土足で足を踏み入れ距離感などおかまいなしなのに、こちらで助けてほしいと思うときにはいつもいないからだ。結果嫁はどうなるかというと、ストレスが溜まりヤケ食いに走ってぶくぶくと太る羽目になってしまう。

先日もこんなことがあった。夫が休日出勤でいない土曜日の朝、遅めの朝食をとっているときに、突然「ピンポーン」とチャイムが鳴った。嫌な予感がしつつもインターホンを取ると、案の定義母だった。どうやら突然訪問して子供たちをびっくりさせようとしたいらしいのだが、サプライズは子どもだけにしてくれと心から思う。ドアを開けるといきなり「ちょっと運ぶの手伝って」と言われ、「はぁ!?」と言いたいのをこらえ義母の後をついて行った。すると車のトランクを指差し、「これ、あげるから運んでね」と言い残し、自分はさっさと家に入ってしまったのだ。うんざりしつつもトランクを開けると、そこには見覚えのある金庫があった。再び義母のところに行くと、「もういらないから、あげる」とドヤ顔で言うではないか。私は頭に血が昇りそうになるのを押さえつつ、重たい金庫を何とか一人で家に入れた。もちろんイヤだけど、こうすることが一番、平和的かつ早急に義母に帰ってもらえる手段だとわかっているからだ。それにしても自分が使わなくなった金庫を無理やり私に使わせようとするって…。姑が帰った後、ポテチ2袋とかりんとうをヤケ食いしたのは言うまでもない。